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校正成績書に調整前校正データは必要?

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ISOやお客様の監査などで、計測器の校正記録を提示すると「これは調整前(as found)データ?それとも調整後(as left)データ?」と確認される場合があります。

これはISOなどの規格要求事項の一つに、計測器を調整する場合は、「調整前の妥当性確認をする必要がある」旨の記載があるためです。

調整した後の方が、より良い状態で使用できるため、調整前の校正って無駄になるのでは?と考えてしまいがちですが、計測器管理において、調整前校正は重要な意味があります。以下では、ISO 9001の要求事項にある、【調整前校正の必要性】について、解説します。

<調整前校正データの必要性>

ISO 9001:2015の要求事項『測定のトレーサビリティ』という項目には、校正周期(Vol.2)トレーサビリティ(Vol.4)以外にも、以下の内容が記載されております。

  • 「校正の状態及びそれ以降の測定結果が無効になってしまうような調整、損傷又は劣化から保護する」
  • 「測定機器が意図した目的に適していないことが判明した場合、組織は、それまでに測定した結果の妥当性を損なうものであるか否かを明確にし、必要に応じて、適切な処置をとらなければならない」

上記は、製品検査などに使用した際の計測器の状態が調整等を行わずに「妥当であったか否か」を、次の校正で確認する必要があることを示しています。この校正の際に妥当で無かったことが判明すると、前回校正時以降に、当該計測器を用いて行った製品検査の結果に悪影響がある恐れがあり、当時の製品検査の結果について、妥当性の検証が必要であることを意味しています。

この為、その検証前に当該計測器の校正結果に影響を及ぼすような、調整などをしてしまうと、前回の校正結果が無効になる可能性があり、前回校正~今回校正までの間に実施した製品検査が妥当だったか否かを検証することが出来なくなります。

以上により、調整前の校正値が判定基準と照合して合格となることで、過去の製品検査に用いた計測器は「妥当であった」という根拠の一つとなるため、調整前校正データが必要となります。

ここまで調整前校正データの必要性について説明させていただきましたが、計測器は様々な用途で使用されており、全てのケースに上記解釈が当てはまるわけではありません。また計測器の調整を実施すると、追加コストも発生する他、必ずしも全ての計測器に調整前後の校正が必要とは限らず、計測器の特性や使用状況に合わせて、お客様自身で判断する必要があります。
弊社ではお客様のご要望に合わせて以下のような、「調整前」、「調整後」を明示した校正成績書を準備することが可能です。

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