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計測器校正・計量器校正

校正のトレーサビリティ書類って何が必要?

計測器・計量器校正
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計測器の校正を管理する上で、トレーサビリティの確保は、とても重要なことです。ISO監査などでも、計測器のトレーサビリティについて、管理状況の説明を求められる場合があります。その際、監査員にどのような書類を提示すれば良いか、当社の経験を踏まえて解説します。

<トレーサビリティ書類について>

校正書類は複数あり、名称や様式なども様々な為、当社で発行する代表的な書類を例に挙げて、以下紹介します。

校正証明書
①(JCSS校正など)ロゴ付の校正証明書
校正成績書
②(一般校正による)ロゴ無の校正成績書
標準器成績書
③(ロゴ付まで繋がる)標準器成績書
トレーサビリティ体系図
④トレーサビリティ体系図
校正証明書
⑤(一般校正による)ロゴ無の校正証明書

<トレーサビリティを証明するための書類とその解説>

ISO9001:2015の要求事項である『測定のトレーサビリティ』に明記のある「国際計量標準又は国家計量標準に対してトレーサブルである計量標準に照らして校正若しくは検証,又はそれらの両方を行う。」で要求されるものは、概ね先に紹介した5種類の書類により、以下A,B,Cの3つの組合せに分かれます。

A.

当該の書類単独で国家計量標準などへのトレーサビリティの証明が可能な書類
①(JCSS校正など)ロゴ付の校正証明書

解説

この文章内での“ロゴ”とは、JCSSやA2LAなどのシンボル(ロゴマーク)の事を指します。
校正証明書にこれらのシンボルが付されることによって、ISO/IEC 17025に定められた要求事項を満たしており、かつ国家計量標準などにトレーサブルな校正であることが証明できます。

JCSS校正については、このページにて詳しく解説しております。

B.

書類を組み合わせることで国家計量標準などへのトレーサビリティの証明が可能な書類
②(一般校正による)ロゴ無の校正成績書
③(ロゴ付まで繋がる)標準器の成績書

解説

JCSS等のロゴが無い場合、校正成績書だけでは国家計量標準などにトレーサブルであることは確認できません。その校正に使用された標準器や、更に上位の標準器等でJCSS等のロゴが確認できれば、国家計量標準などにトレーサブルであることが証明できます。

C.

監査等の説明に便利な書類
④トレーサビリティ体系図
⑤(一般校正による)ロゴ無の校正証明書

解説

「④トレーサビリティ体系図」は、B項との組み合わせにより、簡潔に国家計量標準などにトレーサブルであることを説明できます。「⑤(一般校正による)ロゴ無の校正証明書」は、発行する校正機関の責任の下、国家計量標準などにトレーサブルであることを説明しています。ただし、C項だけで、国家計量標準などへのトレーサビリティ証明をするには十分ではなく、監査などではB項の「③(ロゴ付まで繋がる)標準器の成績書」の提示を求められる場合もあります。

しかしながら、B項の書類を全ての計測器で保有すると、膨大な量の書類になる可能性もあります。これを避けるための方法としては、校正機関を適切に供給者として審査・認定し、トレーサビリティの確保がされていることを、定期的に確認することで、すべての計測器に書類③を準備せずとも、C項の書類の提示だけで、監査者によっては、トレーサビリティ証明を納得頂ける場合もあります。

※トレーサビリティの定義に関する注意
ISO9001:2015 7.1.5.2『測定のトレーサビリティ』に明記されている内容とJIS Z 8103:2000『計測用語』に記載されているトレーサビリティの定義は異なる為、ご注意ください。

<トレーサビリティ書類の管理について>

トレーサビリティ書類を適切に管理することは、管理対象の計測器の数などによっても変化しますが、何年も校正していると、膨大な量の書類になり、大変な労力になってしまいます。

労力をかけずに、トレーサビリティを確保する方法は、全ての管理対象計測器について、JCSS等の「ロゴ付校正」を実施すると良いのですが、その費用はロゴ無校正より高く、納期も長くなる傾向があります。(※そもそもJCSS等のロゴ付校正が不可能な計測器もあります。)トレーサビリティ書類の管理は、管理対象の計測器の用途や重要性を念頭に、コストバランスも考慮しつつ、管理していく必要があります。

ここで紹介となりますが、当社サービスの一つである校正資料の電子化【校正成績書のCloudサービス】は、書類の量が膨大になっても、文字検索のできるPDFファイルによって計測器の管理№等で瞬時に必要なページへアクセスでき、スマートな管理が出来るようになっていますので、ご興味のある方は、こちらのページをご覧ください。

規格や顧客等の要求事項により、準備すべきトレーサビリティ書類も様々である中、書類の選択・管理は、お客様自身でご検討頂く必要があります。本コンテンツの内容が、お客様の一助になれば幸いです。トレーサビリティ書類に関して、お困りごとがあれば、下記までご遠慮なくお問合せください。

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