溶接における規格要求試験(ひと纏めにして溶接認定試験と呼ばれています)
溶接認定試験は次の3種類(①~③)に分類されます。下図の溶接によるものづくり過程と合わせて、それぞれが製品製作においてどのような目的で実施されるかをご紹介します。
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このページでは当社で行っている溶接機械試験の内、特に実績のある圧力容器の溶接に関わる試験について紹介します。
溶接に関わる試験は次に示す2つに区分されます。
溶接における規格要求試験(ひと纏めにして溶接認定試験と呼ばれています)
溶接認定試験は次の3種類(①~③)に分類されます。下図の溶接によるものづくり過程と合わせて、それぞれが製品製作においてどのような目的で実施されるかをご紹介します。
実機で使用しようとしている溶接施工要領書(Welding Procedure Specification=WPS)が妥当な溶接方法であることを予め確認する目的で実施される試験です。WPT試験やWPQT試験、PQR試験などの略称で呼称されています。 溶接施工管理技術者(Welding Engineer)は過去の経験や知識、調査結果(研究開発試験)に基づいて、P-WPS(Preliminary-WPS:承認前溶接施工要領書)を作成します。次いで、このP-WPSに基づいて溶接試験体を作製し、定められた試験(=PQR試験)を実施します。定められた試験にすべて合格したP-WPSは、承認されたWPSとなります。
実機を溶接する溶接士が妥当な技量を有している或いはそれを維持できているかを確認する目的で実施される試験です。
溶接施工管理技術者は実機の溶接方法や厚さや溶接士技量における承認範囲を元に、溶接士技量試験を計画、溶接試験体を作製し、定められた試験(=WQR試験)を実施します。定められた試験にすべて合格すれば、その溶接士に溶接資格が与えられます。
実機の溶接継手性能を確認する試験で、製品と同一条件で溶接と熱処理をして作製した試験体について試験を行います。この試験は製品の溶接継手を代表する試験であるため、その結果は製品の採否に関わる重要なものです。
引用元:溶接・接合技術特論(溶接協会)
圧力容器に関する法規にはものづくりのよりどころとする取り決めが定められており、壊れない圧力容器を製作するための必要最低限の要求事項が記載されています。この要求事項の一つに溶接試験が含まれています。
適用法規、規格 | 溶接施工法確認試験(PQR) | 溶接士技量試験(WPQ) | 溶接施工試験 |
---|---|---|---|
ASME Sec.Ⅷ | 継手引張試験(Sec.Ⅸ) 曲げ試験(Sec.Ⅸ) 衝撃試験(Sec.Ⅷ)など |
曲げ試験(Sec.Ⅸ) or 放射線透過試験(RT)(Sec.Ⅸ) |
衝撃試験(Sec.Ⅷ) ※Category A,B継手 |
JIS B 8265 | 継手引張試験(JISB8285) 曲げ試験(JISB8285) 衝撃試験(JISB8285)など |
曲げ試験 (JISZ3801,3811,3821など) |
継手引張試験 曲げ試験 衝撃試験など |
特定設備検査規則 | 同上 | JISZ3801,3811,3821など (同等と認められる資格保有でも可) |
継手引張試験 曲げ試験 衝撃試験など |
発電用火力設備の 技術基準 |
継手引張試験 曲げ試験 衝撃試験など |
曲げ試験 (JISZ3801,3811) |
継手引張試験 曲げ試験 衝撃試験など |
ガス工作物の 技術上の基準 |
継手引張試験 曲げ試験 衝撃試験など |
曲げ試験 (JISZ3801,3811,3821など) |
継手引張試験 曲げ試験 衝撃試験など |
ボイラ及び 圧力容器安全規則 |
継手引張試験 曲げ試験 衝撃試験など |
曲げ試験 (ボイラ溶接士資格) |
継手引張試験 曲げ試験 衝撃試験など |
※表中に示した試験の他、溶接長手引張試験、溶接金属部引張試験、継手硬さ試験、化学成分分析、断面マクロ・ミクロ組織試験などがあります。
溶接認定試験は検査官立会の元、試験を行う場合が殆どです。それぞれの検査機関の例を以下の通りです。
法規 | 第三者検査機関(協会) | |
---|---|---|
高圧ガス保安法 | 特定設備検査規則 | KHK(高圧ガス保安協会) |
ガス事業法 | ガス工作物の技術上の基準 | ガス会社のガス主任技術者 |
電気事業法 | 発電用火力設備の技術基準 | 電力会社の検査責任者 |
労働安全衛生法 | ボイラ及び圧力容器安全規則 | 日本ボイラ協会 |
ASME | ASME Sec.Ⅷ | AI(Authorized Inspector) |
PED | Harmonized Standards | NoBo(Notified Body) |