コラム:表面のき裂探傷における現場作業性の比較
- 表面のき裂探傷方法の比較
項目 | 渦電流探傷(ET) | 浸透探傷(PT) | 磁粉探傷(MT) |
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塗膜の剥離 | 不要 | 必要 | 必要 |
廃棄物の発生 | なし | あり(溶剤等) | あり(磁粉等) |
後処理 | 不要 | 必要 | 必要 |
電源の供給 | 不要 | 不要 | 必要 |
検査結果のデータ化 | データ化しやすい | データ化しづらい | データ化しづらい |
供用中の構造物や設備の表面き裂点検において、試験体が覆われている事があります。例えば鉄系部材では、防錆のため塗装・めっき・金属コーティング、容器内面のライニング、また点検部位にグリス等の油脂が付着・堆積・固着している設備などがあります。
構造物や設備への表面き裂探傷方法としてよく用いられる浸透探傷試験(PT)や磁気探傷試験(MT)では、被覆等や付着物の除去作業といった前処理と、磁粉や浸透液・現像剤の除去といった後処理が必要になります。
これに対して、渦電流探傷試験(ECT)は、これら付着物や被覆等を除去/剥離することなくき裂を検出できます。現場での検査以外の処理が大幅に少なくなります。