検査・サービス
発電設備保全

ボイラ伝熱管の全長連続肉厚測定技術 
「マルチプローブ式内挿UT」

ボイラ設備における再熱器、過熱器、節炭器などのボイラチューブが密集したパネル深層部の肉厚を全長にわたり連続で測定可能

 ボイラ設備における再熱器、過熱器、節炭器などは、各パネルが密集して配置されているため、深層部にあるボイラ管に対して外面からの肉厚測定が困難です。また、フィン付きのボイラ管についても、外面からフィンとフィンの間の肉厚を精度よく測定することは困難です。

マルチプローブ式内挿UTでは、水で満たした管内に、複数の超音波探触子を有するマルチプローブセンサを取り付けたケーブルを挿入し、水の流れに乗せてセンサを移動させながら管全長にわたる連続肉厚測定が可能となりますので、パネル全体の肉厚分布を得ることが出来ます。

特徴

  • パネル管群のボイラチューブ全長にわたる連続肉厚測定が可能です。
  • 横型パネル、縦型パネル(ペンダントタイプ)ともに適用可能です。
  • 複数の曲管部(ベンド部)を通過することが可能なため、曲管部ごとに切断する必要はありません。切断箇所は、水を流すホースを接続する端部2箇所のみです。
  • パネルの管群において、手が届かない、手が入らない深層部の肉厚測定が可能です。
  • フィン付きボイラチューブのフィン付根部の肉厚測定が可能です。
  • 管長手方向に対して連続肉厚測定するため、管外面からの定点肉厚測定で見逃す可能性のある減肉も見つけやすくなります。
  • 管全長の肉厚分布をカラーマップで表示するため、パネルのどの位置で減肉が発生しているのか容易に把握できます。補修計画する上で有益な情報となります。
  • 管外面の灰除去や研磨作業が不要です。また、パネルを吊り上げる必要がなくなりますので、多大な付帯工事(管や金物の切断、パネル吊り上げ、足場設置、溶接、検査など)のコストを削減できます。
  • 曲管部(ベンド部)の肉厚測定も可能です。

装置構成

水で満たした管内に、複数の超音波探触子を有するマルチプローブセンサを取り付けたケーブルを挿入し、管全長にわたる連続肉厚測定を実施します。

探触子配置概要

複数のUT探触子を周方向に均等に配置したマルチプローブセンサを使用して管厚を測定します。
管厚は、各探触子で受信した管外面と内面の反射エコーの時間差と材料音速から求めます。

カラーマップ出力例

管全長の肉厚分布をカラーマップで表示するため、パネルのどの位置で減肉が発生しているのか容易に把握できます。補修やプロテクター取り付けの計画を立てる上で、有益な情報となります。

本事例では、お客様が即座に減肉箇所を確認し、補修して対策されていました。

検査仕様

名称 マルチプローブ式内挿UT
方式 水浸法による管内面からの超音波厚さ測定
対象部位 直管部および曲管部(ベント部)の背側
※曲管部(ベント部)背側の測定については、偏平等の影響により測定できないことがあります。
減肉形態 外面減肉(アッシュエロージョン等)
※溶接部、局所減肉(特に周方向)、管内面減肉は対象外
測定可能肉厚 1.5mm以上 ※管内面状況によって変わることがあります。
検出精度 ±0.1mm
測定速度 80mm/sec
※あくまでも目安です。状況により変わります。
装置設置面積 約15㎡ 例)5m×3m、7.5m×2m
用役 水(純水、工水)、60Hz電源(100V単相および200V三相)
所掌範囲外 重量装置搬入・搬出、水供給設備準備、工事用電源準備、足場設置、管端切断・復旧、復旧後の検査、内面スケール除去(必要な場合)

工程一例

φ50.8mm × 5mmt × 50m ・・・ 18本

1工程(8時間)で管長50mを測定する場合の一例です。
検査日数に制限がある場合は、検査装置を2台にし、工期短縮も場合によっては可能です。

過去実績

これまでに、神戸発電所をはじめ、延べ33サイトで900本以上の検査実績があります。

対象
ボイラ伝熱管(再熱器、過熱器、節炭器、蒸発器)
管外径
31.8mm ~ 63.5mm
管肉厚
3.2mm ~ 9.4mm
曲げ半径
R35以上 ※管偏平状況によって変わります。
管長
最長 100m
※パネル寸法や作業環境によって一方向から全長の肉厚測定が実施できない場合は、マルチプローブセンサを両管端から挿入して全長の肉厚測定を実施することもあります。
材質
炭素鋼、ステンレス鋼
過去実績概要
設備名 管外径 (㎜) 肉厚 (㎜) 曲管部最小R (㎜) 最長測定距離 (m)※1
再熱器 φ63.5 3.5~9.4 R50 57
再熱器 φ57.0、φ57.1 3.5~4.2 R57 60
再熱器、過熱器、節炭器 φ50.8 3.8~8.0 R51 97
節炭器 φ48.3 6.5~7.1 R50.8 50
過熱器、節炭器、蒸発器 φ44.5、φ45.0 4.0~8.0 R50 60
過熱器、節炭器 φ38.1 4.1~7.9 R50 75
節炭器 φ31.8 3.2~4.6 R35 100

※1:マルチプローブセンサを一方向から挿入したときの最長測定距離

適用範囲の目安

最終的な適用可否は、管外径、管肉厚、曲げ半径、管長、材質を
総合的に考慮して判断致しますので、お気軽にご相談ください。

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