非破壊検査 放射線透過試験(RT)
放射線で内部の状態を見える化
放射線透過試験(RT)とは
放射線透過試験は、エックス線やガンマ線などの放射線が物質を透過する性質と写真フィルムを感光させる性質を持つことを利用して、試験体に放射線を透過し内部の状態を撮影像としてフィルムに記録することで、試験体の内部きずの状態や内部構造を調査する非破壊検査方法です。
放射線が試験体を透過する際、内部きずがある部分や厚さの小さい部分では、健全部や厚さの大きい部分に比べてより多くの放射線が透過し、フィルムをより強く感光させます。そのためフィルムを現像すると、放射線の透過量が多い部分ほど黒く写り、濃淡差のある透過写真ができます。この透過写真を観察することで、試験体の内部きずの状態や内部構造を知ることができます。
放射線透過試験の特徴
- 対象物に放射線を透過し、内部欠陥(状況)を可視化する
- 鉄鋼材料、非鉄金属、非金属材料など、材料を問わず撮影可能
放射線透過試験例
デジタルラジオグラフィ(D-RT)
放射線透過試験にはデジタルラジオグラフィ(D-RT)と呼ばれる、放射線の量をデジタル化した電気信号として取り出して画像化する方法もあり、代表的なものとしてコンピューテッドラジオグラフィ(CR)があります。CRは、フィルムの代わりにイメージングプレート(IP)と呼ばれるX線検出器を用いて撮影を行い、読取装置でIPに記録されたX線画像データを読み取ることにより、撮影結果をデジタル画像として出力することが可能なシステムです。
デジタルラジオグラフィの特徴
- 撮影結果を画像データとしてPCに保存でき、データの活用も容易に行える
- 画像処理によって検査対象部位を観察しやすい画質に調整可能
CRシステム
SISCOのRTなら
様々な検査に対応します
汎用X線装置やγ線装置の他、高出力放射線装置や大型照射室を備えています。
薄板から300mm超えの極厚品、ハンドキャリーできる小型製品から100tクラスの大型製品など、様々な検査に対応します。
国内規格をはじめ、各種国際規格に対応した撮影を行います
JIS、ASME、ASTM、EN、ISO など各種国際規格に対応した撮影・成績書作成を行います。
デジタルラジオグラフィの撮影にも対応します
デジタルラジオグラフィの方式の一つであるコンピューテッドラジオグラフィ(CR)システムを導入しています。撮影結果をデジタル画像化することで、PCでデータを管理・活用でき、フィルムの取扱・保管が不要なことや部位・目的に応じた画像処理を施すことによって、画質の向上が図れるなどの利点があります。
- 直線加速型X線装置による
圧力容器溶接部の放射線検査
- デジタルラジオグラフィにて
撮影されたマウス
対象機器
- エネルギー関連機器
(化学反応塔・使用済核燃料輸送容器・熱交換器など) - 各種機械部品
- 配管(新設・既設)