非破壊検査 浸透探傷試験(PT)
きずを知覚的にわかりやすく!
浸透探傷試験(PT:Liquid Penetrant Testing)とは表面に開口しており目視では見えにくい大きさのきずを目で見ることができるようにして行う非破壊検査手法です。
浸透探傷試験(PT)では人間の目で見えやすい色や蛍光色を発する浸透液を試験する表面に塗布します。
試験面に開口したきずがあると塗布された浸透液はきずの内部に浸透していきます。
きずの内部に浸透した浸透液を試験面まで現像剤と呼ばれる溶剤により吸い出すこと(毛管現象)で、浸透液が試験体表面に広がり、きずを知覚的に感知しやすくなります。
浸透探傷試験(PT)は多孔質材料でなければ金属材料でなくても適用することができますが、探傷表面に開口していないきずを見つけることはできません。
また、浸透液を浸透させる方法や余剰浸透液の除去方法、現像の方法も様々あり、対象物の大きさや形状、検出したいきずの大きさ、試験環境を考慮し適切な試験方法を決定する必要があります。
- 圧力容器内面の検査(染色浸透探傷)
- 染色浸透探傷による欠陥の検出
- 染色浸透探傷による軸材の検査
こんなポイントが「強み」です。
当社では小型の機械部品や鋳鍛鋼品、溶接部の浸透探傷試験はもちろんのこと、アルミ合金、チタン合金などの非鉄金属、航空機部品やエネルギー機器部品などの大型部品、タービンプレートなどの精密部品の検査を行っています。
一般的な染色浸透液を用いた探傷試験だけでは見つけにくいような細かなきずを対象とした蛍光浸透液による探傷試験による検査の実施も可能です。
また、JIS規格をはじめとする各種規格に従った方法や各製品に適した方法の提案など神戸製鋼グループの一員として培ってきた技術を活かし、製造や設備の保守に対して有識・経験のある検査員がお客様の品質要求に合わせた試験の実施及びサービスの提供をいたします。
適用分野
- 自動車・航空機・造船
- 産業機械
- エネルギー
- 発電・ガス
- 建築・土木(インフラ)
対象機器
- 配管・弁類
- エンジン部品
- クレーン・圧縮機
- 圧力容器・熱交換器
- ボイラー・タービン
浸透探傷試験の工程
- 1. 浸透液をきずの中に浸透させる為、
きず口や中の余分な油脂類等を除去します(前処理)。
- 2. 試験体表面に浸透液を塗布し、
きずの中に決まった浸透時間の間保持します(浸透処理)。
- 3. きずの中の浸透液を残して、
それ以外の余剰浸透液を除去します(除去処理)。
- 4. 現像剤を試験体表面に適用し、
きずの中の浸透液を吸い出して、指示模様を形成させます(現像処理)。
- 5. 指示模様を観察します(観察)。
検査法の原理・特徴
浸透探傷試験(PT)はきずの内部に浸透させた浸透液を毛管現象によって、試験体表面に吸い出し、きずを知覚的に感知しやすくして行う検査手法であり、非鉄金属や金属以外のものにも適用できます。きずが探傷表面に開口していなければ検出することはできませんが、検出能はきずの向きや開口形状(線状や円形状)には左右されません。