非破壊検査 磁気探傷試験(MT)
目視でわからない有害な表面きずを検出!
磁気探傷試験(MT:Magnetic particle Testing)とは強磁性(磁気を与えると磁石に強く引き付けられる性質)をもつ鋼管、棒鋼、機械部品などの鉄鋼材料や溶接部の表面及び表面下のきずを検出するための非破壊検査手法です。磁気探傷試験(MT)では試験体を磁化することにより試験体の表面及び表面下に磁束を生じさせます。
磁束の流れる位置にきずが存在すると磁束の流れがきずにより妨げを受け、試験体の外部空間に磁束が漏えいします。ここに磁粉(微細な鉄粉)を塗布することで、漏えいした磁束に磁粉が付着し、きずの見た目を拡大して観察することにより、きずを検出することが可能となります。
また、試験体を磁化する方法や磁粉を塗布する方法も様々あり、対象物の大きさや形状、検出したいきずの方向、試験環境を考慮し、適切な試験方法を決定する必要があります。
磁気探傷試験(MT)は自動車、船舶、航空機、パイプライン、ガス・発電施設をはじめとした様々な産業分野における製品、設備の検査・保全に役立っています。
- クランク軸のMT探傷による検査
こんなポイントが「強み」です。
当社では溶接構造物、クランクシャフトをはじめとする鋳鍛鋼製品、高炉炉体等の鉄鋼構造物などの検査はもちろんのこと、試験体のセッティング及び磁化から観察前までの工程を自動で行う方法を採用するなど信頼性のある検査方法を進めています。
さらに当社では経験豊富な多数の有資格者(JIS、SNT-TC-1A)を抱えており、安心した検査サービスの提供にお応えします。
神戸製鋼グループの一員として、(株)神戸製鋼所で製造される製品や設備の検査に携わり培ってきた技術を活かすことで、検査のみの知識だけでなく、各製品の製造や設備の保守に対し各分野で有識・経験のある検査員が、お客様の品質要求に合わせた試験の実施及びサービスの提供をいたします。
適用分野
- 自動車・航空機・造船
- 産業機械
- エネルギー
- 発電・ガス
- 建築・土木(インフラ)
対象機器
- 配管・弁類
- エンジン部品
- クレーン・圧縮機
- 圧力容器・熱交換器
- ボイラー・タービン
検査法の原理・特徴
磁気探傷試験(MT)は試験体を磁化することで磁束を生じさせ、きずにより妨げを受けて外部空間に漏えいした磁束に磁粉(微細な鉄粉)を付着させる試験方法です。
磁粉の付着によりきず部を視覚的に拡大して観察できます。磁性体材料への適用に限定されますが、表面に開口していないきずでも表面直下に存在する場合は検出することができます。