臨時校正の必要性、見極めポイントは?
計測器の精度は、製品の品質や測定プロセスの安定性を確保する上で不可欠です。定期的な校正はもちろん重要ですが、予期せぬ状況下で「臨時校正」が必要となるケースがあります。今回は、どのようなタイミングで臨時校正を検討すべきか、その見極めポイントについて解説します。
なぜ臨時校正が必要??
計測器は、適切な環境下で大切に使用していても、以下のような要因でその精度が変動することがあります。
- 経年変化: 部品の劣化や摩耗により、性能が徐々に変化します。
- 環境変化: 温度、湿度、振動などの外部環境が計測器に影響を与えます。
- 物理的ストレス: 落下、衝撃、過負荷などにより、内部構造にダメージが生じることがあります。
これらの要因により、定期校正のサイクル内であっても、計測器の精度が許容範囲外になる可能性があります。
その状態で測定を続けると、誤ったデータに基づいた判断を下し、品質問題やトラブルに繋がるリスクが高まります。
臨時校正が必要となる主なタイミングとは?
では、具体的にどのような状況で臨時校正を検討すべきでしょうか?
1. 異常な測定結果が出た場合
- 「これまでと明らかに違う値が出る」:過去の測定データと比較して、著しく異なる値が繰り返し出る場合。
- 「同じ条件なのに測定値が安定しない」:何度測定しても値がばらつき、一定しない場合。
- 「製品の不良が増えた」:突然、不良品の数が急増した等、計測器の測定能力の不良が疑われる場合。
- 「全く検討違いの値が出る」:測定寸法からの大きな乖離がある場合。他計測器(例えば定規)などで簡易的に測定すると異なる値が出る場合等。
2. 計測器に異常が発生した場合
- 「落としてしまった、ぶつけてしまった」:計測器を落下させたり、強い衝撃が加わったりした場合。
- 「外観に異常が見られる」:筐体にひび割れ、変形、破損など、目に見える損傷がある場合。
- 「動作や機能に異常が見られる」:可動部の動きが鈍い。デジタルの場合、測定結果表示が薄い等、通常使用時と比べて違和感がある場合。
3. 使用状況が変化した場合
- 「使用頻度が急増した場合」:使用頻度が急増した場合、校正周期を待たずに臨時校正されることを推奨します。
- 「使用停止した」:使用停止した場合、過去測定値の妥当性を確認する必要がある為、校正が必要となります。
- 「計測器を通常と異なる環境で使った」:仕様範囲外の高温、低温、高湿度、または著しい振動がある場所で使用した場合。
4. 長期間使用されなかった計測器の場合
- 「棚に眠っていた計測器を久しぶりに使う」:長期間(例えば数年以上)保管されていた計測器は、保管環境による影響や経年変化が進行している可能性があるため、使用前に校正を検討しましょう。
5. 修理や部品交換を行った後
- 「メーカーで修理してもらった、部品を交換した」:内部部品の交換や修理を行った場合、計測器の特性が変化している可能性があるため、修理後の校正をお勧めします。
- 「調整や改造をした」:計測性能に関わる調整や改造を行うことにより、直近の校正結果が無効となる場合があります。
※ゼロ点調整を除く。 - 「測定子を変更した」:指示計と測定子が分離できるタイプの計測器の場合、その組み合わせにより測定性能が決定されますので、校正が必要となります。
迷ったら、まずはご相談ください
「もしかしたら必要かも?」と感じたら、まずはご相談ください。
お客様の状況を詳しくお伺いし、臨時校正の要否や最適な対応についてアドバイスさせていただきます。
計測器の信頼性維持は、安定した品質と生産活動の基盤です。
疑問や不安があれば、お気軽にお問い合わせください。
お問合せ先
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