社内校正ってどうなの?
計測器の校正においては、自社で校正を行う「社内校正」、または弊社のような校正事業者に校正を委託する「外部校正」の2択から、各社様選択されているかと思います。社内校正、外部校正には、各々メリット、デメリットや注意点等があり、これを総合的考慮し、自社の様々な状況を勘案して選択することが大切です。
今回は、この「社内校正」について、少しふれてみたいと思います。
社内校正を行う上での注意点
- 標準器の適切な管理と定期的な校正
- 校正手順の作成と妥当性の担保
- 校正担当者の教育訓練と力量評価
- 校正記録の作成と保管
- 校正環境の管理
- 校正結果に対し、合否判定を伴う場合は、基準の明確化
社内校正のメリット
- コスト削減:外部校正機関に依頼する費用を削減できる。特に校正頻度が高い場合や、多数の計測器を保有している場合に有効。
- 時間の短縮:外部への輸送や待ち時間がなくなるため、迅速に校正を行うことができる。
- 柔軟な対応:自社のスケジュールに合わせて校正時期を調整できる他、故障時の臨時校正等突発的な校正ニーズにも対応しやすい。
- ノウハウの蓄積:校正に関する知識や技術が蓄積される。
- 機密情報の保護:外部に計測器等の情報を開示する必要がない。
社内校正のデメリット
- 初期投資:校正に必要な標準器、その他設備、環境等を自社で準備する必要があるため、初期投資費用を要します。
校正には精度が高い標準器や空調設備等が必要となるため、投資費用は高額となるケースが多いです。 - 設備の維持・管理:標準器の定期的な校正や修理、設備の点検及び更新・環境の維持等には費用を要します。修理や点検には高額な費用が発生する場合が多く、納期も再校正・検査等を合わせると数カ月かかる場合があります。
また標準器が不合格になったり、急な故障が発生した場合は、費用面のみならず、社内校正スケジュールの再調整やISO9001要求事項である妥当性確認(遡及確認)を行う必要もあります。 - 適切な校正手順の管理:校正作業には文書化された手順書が必要です。これが無ければ、校正者業者により校正方法・使用標準器が異なる等の事象が発生し、校正結果のバラつきに繋がります。また標準器と校正品の精度比は問題ないか、判定基準や校正周期は適切かなど、管理基準を用意しなければ校正結果の妥当性を担保することはできないでしょう。
- 記録の保管:各種計測器の校正記録はもちろん、標準器の校正記録、測定環境時の記録、校正作業者・管理者の力量記録等、校正結果の妥当性を担保するための記録を長期間保管する必要があります。
- 人的資源の投入:校正を行うためには、校正作業者は無論、管理者においても、専門知識・経験を持った人材を確保・育成し、力量を維持する必要があります。JIS規格や校正に関する様々な知見も日々監視、時には講習会等に参加し適宜適用させていく必要もあります。
- 計量トレーサビリティの確保:校正結果の信頼性を担保するためには、校正に使用する標準器の計量トレーサビリティを確保する必要があります。これにはトレーサビリティ上の最上位標準器が、国際又は国家標準により校正されていることの証明が必要で、ISO/IEC17025規格の登録事業者によって発行される校正証明書までの一連の校正成績書を提示する必要があります。
- 認証機関やお客様の監査に対応:自社の計測器管理がISO9001認証範囲である場合、認証機関の監査に対応する必要があります。また時として自社のお客様から校正管理に関する監査要請が入ることもあります。
社内校正の場合、これらの監査に対応するには、自社の校正はきちんと校正品質が担保されていることを説明する必要があり、文書管理、記録管理、力量管理等の様々な書類を準備しておかなくてはなりません。
自社に適した校正管理手法を選択
以上のようなメリット、デメリットを勘案し、「外部校正」か「社内校正」か、自社に合った校正管理手法の選択をされることをお勧めします。もし「社内校正は費用もかかるし、管理方法も大変そうなので、外部校正機関に校正を依頼しよう」との判断に至りました際は、是非、当社への依頼ご検討をよろしくお願いいたします。
神鋼検査サービスの校正管理の一部をご紹介
当社は神戸製鋼Grで培ってきた計測器に関する知識、技術を活かし、神戸製鋼Grは無論、他一般のお客様から計数万点に上る計測器の校正ご依頼を頂いております。この中、日々これを経験値として一層の校正サービスの向上を図っており、以下に当社校正管理の一部を紹介させていただきます。
- 校正対象品の種類、メーカー問わず、窓口一括でお預かり…当社の校正ベンダーネットワークを活かし、当社で校正できない計測器についても、一括でお預かりします。
詳細はこちら - 標準納期は約10日間…当社着からお客様納品まで、約10日間で対応します。
詳細はこちら - お客様現地訪問での校正対象品の引取・納品サービスにも対応。
詳細はこちら - 独自の校正管理システムを構築…数万点/年の校正品に対応するには、システムの活用がMUSTです。校正品の情報管理は無論、誤記や判定ミス等を防止する品質向上の側面もシステム的に担保しておく必要があります。
弊社では独自のシステムを開発し、種々情報管理は無論、校正結果の自動判定や校正値の自動取込み等、人的ミスを低減させる仕組みを構築し、校正成績書の品質向上を図っております。
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またお客様に安心して当社へ校正ご依頼頂けるよう、当社校正現場の見学ご要望にも柔軟に対応しておりますので、是非、校正機関のご検討の際は、お気軽にお問い合わせをいただければ存じます。
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